債務整理DEBT ARRANGEMENT
債務整理DEBT ARRANGEMENT
任意整理とは,裁判所の手続を通さないで,直接,債権者と債務の分割返済の合意をする方法です。債務者本人が貸金業者などの債権者と直接話をしても,将来利息のカットがされないため,分割返済を続けても全然元本が減らないことになりがちです。これでは経済的破綻を先延ばしにしただけです。
債務整理の依頼を受けた弁護士はまず,債権者に対し「受任通知」を出します。これにより債権者の取り立ては止まります(貸金業法第21条1項9号)。これだけでも安心される方が多いです。そして,弁護士は取引履歴を債権者から取り寄せて,利息制限法に引き直し計算をします。そうして算出された本来の債務総額を通常36回に分けて毎月分割返済する計画を組みます。債権者は60回くらいまでの長期分割も認めてくれることもあります。
任意整理を弁護士に依頼するメリットは,利息計算法による引き直し計算ができる点と将来利息のカットができるという点です。他方,任意整理の不利なところは借金をなくすことはできず,あくまで分割で返していかなければならない点です。
特定調停とは,簡易裁判所における任意整理です。特定調停のメリットは,すでに給料の差押えを受けている場合などに,強制執行の停止ができる点です。これに対し,特定調停のデメリットは調停条項で定められた分割弁済を怠ると強制執行できる効力を債権者に与えてしまう点です。