債務整理DEBT ARRANGEMENT
債務整理DEBT ARRANGEMENT
会社をたたむ(法人格を消滅させる)には、①解散、②残余財産の分配、③清算結了という流れをたどります。清算結了登記が完了すれば、原則として当該法人は消滅したことになります。
なお、休眠会社のみなし解散によっても、当然に会社(法人格)が消滅するのではなく、清算会社として存続します。
解散後に債務超過が判明した場合には、清算手続から特別清算手続への移行が必要となります。もっとも、中小企業の場合、債務超過かどうかは経営者には明らかであるため、債務超過の場合、わざわざ特別清算手続をとることはなく、初めから破産手続を選択することになります。
債務超過ではないけれども、税金の滞納があるまま清算結了したような場合には、たとえ清算結了登記が済んでいたとしても当該法人は清算の目的の範囲内においてなお存続し、法人格は消滅していないものと扱われます(国税不服審判所平成22年12月16日裁決)。
とはいえ、このような場合には当該法人に課税処分をしても、清算人により残余財産が分配された後ですから、滞納税額を徴収することはできません。そこで、当該残余財産を分配した清算人及び分配を受けた者は、第二次納税義務者として、当該法人が滞納していた税金について納税義務を負うことになります。
したがって、税金の滞納がある会社のたたむ場合も破産手続を選択することになります。
この点、租税債権は、非免責債権の典型であり(破産法253条1項1号)、免責後も、破産した株式会社の法人税や消費税は存続します。
しかし、以下の要件がすべて満たされる場合には、会社財産は皆無であり、徴収の可能性がないので、滞納処分の執行停止(国税徴収法153条1項1号)をして、滞納にかかる法人税や消費税を直ちに消滅させることができます(同条5項)。
①破産管財人による配当が全て終了して破産が終結していること。
②破産以外に担保権実行による競売手続が係属している場合には、配当が結了していること。
③破産手続開始決定前に滞納処分としての差押に着手している場合には、破産手続開始決定後、換価のうえ配当(滞納国税への充当)が完了していること。
④役員等の納税保証がなく、役員等に第二次納税義務を課する要素がないこと。
会社の清算、廃業、倒産をご検討の方は、弁護士法人九十九里へご相談ください。